大分団地新聞にコラムを連載しています。
今回は財産分与についてのお話です。
離婚する際、夫婦が婚姻後に築いた財産は原則としてすべて財産分与の対象となります。
イメージしやすいのは、預貯金や不動産でしょう。預貯金は単純に2分の1を分けます。不動産は、引き続き居住する方が出て行く方に評価額の2分の1を金銭で支払います。
このとき評価額で揉めることはよくあります。例えば、引き続き居住する妻は少しでも安く抑えるため、低い固定資産評価額を主張するのに対し、出て行く夫は数社の査定を取り、市場価格が最も高い金額を主張します。離婚調停や離婚裁判まで進むと、最終的にはそれらの中間値で落ち着くことが多いように思います。
では住宅ローンが残っている場合はどうなるでしょうか。仮に評価額が残ローンの額を
上回っている場合は、その上回っている部分を2分の1にします。つまり二人とも家を出
て行くとして、不動産を売却するなら売却益の2分の1ずつを互いに取得し、売却しない
なら、やはり引き続き居住する方が出て行く方に、想定される売却益の2分の1を金銭で
支払います。
逆にオーバーローンの場合は、引き続き居住する方がローンの支払いを継続し、不動産
に関する財産分与は行わないこともあり得ます。ただし、例えば仮に妻が引き続き居住す
るものの、住宅ローンの名義人が夫となっているときなどは、住宅ローンの支払について
金融機関も交えてきちんと定めることが重要になります。
離婚に際しては財産分与をはじめ、親権、養育費、婚姻費用、年金分割、子との面会交
流など、決めなければならない事項が多々あります。お悩みの際はお気軽にご相談くださ
い。
OITA CITY PRESS 2025年11月号掲載
https://oitadanchi.com/