大分団地新聞にコラムを連載しています。
本日は犯罪被害に遭われた方向けのお話です。
暴力や性被害、悪質な交通違反等の犯罪被害に遭った場合、どうしたらいいでしょうか。警察に相談する方は多いと思いますが、弁護士に相談することも選択肢の一つです。
あまり知られていませんが、私が所属する大分県弁護士会には、「犯罪被害者支援センター」と呼ばれる組織があります。弁護士といえば、犯罪者側を弁護する立場にあることが一般です。しかしながら、被害者こそ人権が守られ、被害回復がなされなければなりません。
そこで犯罪被害者支援センターでは、弁護士が犯罪被害者に寄り添うさまざまな支援を用意しています。たとえば初回の相談を無料で行い、マスコミ対応や刑事裁判における被害者参加のアシストを行ったり、他の支援関係機関との連携を図りながら、被害者支援の充実を図ります。また、加害者に対する賠償金支払いのための示談交渉の窓口になったり、民事裁判を起こすことも可能です。さらに、弁護士費用が捻出できないときは、さまざまな公的補助制度をお知らせします。
また、犯罪被害者支援センター独自の経済的支援として、犯罪被害者支援基金も用意しています。
一定の条件はありますが、申請があれば1件あたり金50万円を上限として犯罪被害を受けたことによる治療費や通院交通費等について支援を受けることも可能です。
泣き寝入りをすることなく、適切な犯罪被害者支援を得るために、ぜひ犯罪被害者支援センターのことを知っておいてください。そして万が一犯罪被害に遭ってしまったら、一人で悩まずいつでもお問い合わせください。
OITA CITY PRESS 2025年10月号掲載
https://oitadanchi.com/